書かれたものと内面

今、「書かれたもの(企画書とか抱負とか)を読んでその人の人間性を審査する」みたいな用務をしております。

でもこれ、実はたいへん疑問なんです。書かれたものからその人の内面を読みとるなんて、できるのか??


きちんと規格通りに書いているかとか、そっちの方面からならある程度は可能でしょう。

でも文章を読んでその人がどういう人か当てるなんて、エスパーでもないのに、できるのか??

文学研究なら、まあアリとしましょう。あれはあくまで「研究」の世界の話ですからね。「誰々という作家はこの時こう書いている。これは彼の心境がこう変化したからだ」みたいなのは、僕はそんなに好きではないですが研究の王道ではあります。

しかし実際には、文章がそのまま内面を反映するなんてこと、あるはずありません。心の中が邪悪でも美しい文章は書けるし、逆に心が澄んでいても文章はまるでダメな人だっているでしょう。いや、見破れる人には見破れるのかもしれませんが、オレには無理です。


でもこういう(「書かれたものには書いた人の内面が宿る」みたいな)神話って、けっこう根強そうですよね。これまた一種の精神論じゃないか、と思ったりします。


……とか不満を抱えつついろいろ読んでおります。まあオレはそんなに重要な役回りじゃないのでいいんですが。