何もないことが分かりました

http://www.asahi.com/culture/update/0712/TKY200807120099.html

近松門左衛門(1653〜1724)の人形浄瑠璃曽根崎心中」の初版本の完本が、富山県黒部市立図書館で初めて見つかった。人形浄瑠璃を研究する早稲田大学高等研究所の神津武男・客員准教授が、同市の旧家が市に寄贈した古文書資料の中にあるのを確認した。

 発見された完本は25丁本(50ページ)。奥付から「曽根崎心中」が初演された元禄16(1703)年の秋ごろまでに刊行されたとみられるという。大阪市大阪府中之島図書館にも初版本が1冊あるが、1丁(2ページ)が破損し、版元などが記載されている奥付が失われた状態だった。

 これまで翻刻・出版された全集は、中之島本とその後の改訂本を、底本としていた。神津准教授は「完本の発見で、初めて改訂本との完全な照合が可能になり、文章に変更がなかったことが分かった」と話す。

 内山美樹子・早大文学学術院教授(人形浄瑠璃研究)は「中之島本が初版であることが確定した。今後、黒部の本が『曽根崎心中』の作品研究でベースになる」とみる。

 神津准教授は、浄瑠璃本の研究をまとめた「浄瑠璃本史研究」(八木書店)を8月に出版予定で、初版本の写真も収録される。また初版本は8月末まで、黒部市宇奈月町下立の「うなづき友学館」で展示を続ける予定。

いや、せっかく新資料を発見したのに、「今まで通りの説であることが分かった」という結論、痛恨だろうなあ、と邪推。

どうせ新資料見つけたなら、「今までの定説を覆す」ものであってほしいですよね。

……まあそういう誘惑が、捏造を生み出しちゃうんでしょう。