インプットとアウトプット

最近特によく思うのですが。

僕らの業界で、インプットとアウトプットの能力は、全く別物だ、ということ。

つまりは、研究する能力と、教える能力は、全く別物なのです。


これ、よく考えれば、当たり前のことです。

でも、この二つ、けっこう混同されがちです。

研究において素晴らしい能力を持っている方は、教える能力も素晴らしい、と、根拠なく思われていそう。

偉い先生の授業は、含蓄に富み、話題が次から次へと飛んでいって、私たちはとまどいながらもその世界へと必死についていった……みたいな言い方が(回想などで)なされますが、この手の、「偉い先生」特有の授業(僕も何度か受けたことはあります)は、端的に、ダメ授業です。

「ついてこれない学生が悪い」なんて言い方は、最悪。教え手としてはまるでダメです。


しかし逆に、「教える能力のない教員は、研究能力もない」というわけでは全然ないのも、またたしかです。

今のところは、大学にもよりますが、大学教員は、教える能力よりも、研究能力を重視されていますので、「教え方の下手な、研究まあまあな教員」でも、じゅうぶん勤まるんでしょう。今後はわかりませんが。


ちなみに、自分の経験上、「教え方の上手い大学教員」は、そうですねえ、多く見積もっても、2割程度でしょうか。

……オレも、この2割に入れるよう、がんばります。