隔世の感

http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070628/1183000028

また、著者は大学闘争の背景のひとつとして、過剰な学生数を挙げる。引用されている「東洋大全共闘を指導した学生のひとり」である竹林正純先輩の言葉;

俺たちが立ち上がったのは、大学当局が学生を人間扱いしていないってことだったよなあ。四月に大学に行っても、学生が多すぎて教室に入れないんだよ。学生が大学をあきらめてバイトなんかを始めて、学校に来る学生が少なくなってはじめて、教室に学生が入れるくらいの数に減るわけだ。大学当局は、教育とか何も考えていなかった。「授業料さえきちんと払えば、卒業させてやる」って、そういう態度だった(pp.80-81)。

なお、大学闘争当時の日本大学の入学者数は入学定員の「五倍くらい」だったという(p.80)。

読んでないので孫引きですが。いや凄まじいですね。今なら暴動……じゃないか、訴訟モノでしょう。


まあでも、こういう修羅場をくぐり抜けてきたこの世代の先生方は、今の大学はさぞかし居づらいことでしょう。今は何よりも「学生へのサービス」。分かりやすい授業をし、休講にしたら必ず補講、学校に来ない学生にはなんとか連絡を取って、来ていただけるように手を打つ。「おいおい、こんなはずじゃねーよ」とお怒りになるのも無理はなし。


でも、「卒業させてやる」って、言ってみたいですよね。今は……「卒業していただく」、かな。