言行不一致

ちょっと前(といっても1週間ぐらい前?)、「風俗で働く女性、あるいは売春婦」への差別、について議論がありました。


僕個人は、そういう「職業の差別」はいけないと思うし、自分もそういう差別はしたくない、と強く思います。


ただ、議論において、とくに「先鋭的」(あるいは進歩的?)な方々が、「オレは、自分の母親や妻や恋人や娘が体を売りに行っても、全然気にしない」「オレもオレも」という流れになったのを読んで、「う〜む」と考え込んでしまったのでした。


今のところ、僕は、「自分の母親や妻や恋人や娘が体を売りに行っ」たら、ものすご〜くいやです。「妻や恋人」だったら「別れる」ぐらいまでいきそうだし、娘だったら全力で止めるだろうし、母親だったら……どうするだろう、とにかくいやです。


これって、やっぱり、「言行不一致」なんでしょうか。おれって、差別主義者なんでしょうか。保守的なんでしょうか。


この手のことは他にもあって、例えば僕は、「学歴」(大学歴を含めて)などにはなんの意味もないと思ってはいます。それをひけらかすようなやつ、「あいつは高卒/○○大卒だから……」みたいな言い方をするようなやつは、最低最悪だ、と思ってます。

じゃあしかし、自分の子供(←まだいませんが)が、高3になって、「おれ、大学なんか行かねーよ」とか言い出したら、「いやお前、大学ぐらいは……」と言いそうです。いや、子供に、何らかのビジョンがあって、そのうえで「行かない」というのならOKですが、たんに「めんどくせー」とか「勉強イヤだ」とかいう理由なら、「なにいってんだ、勉強して、少しでもいい大学に入れ」と、言います、たぶん。


やっぱこれ、言行不一致なんでしょうかね……


僕自身は、実は、この言行不一致というやつが、大嫌いなのです。ちょっと方向はズレるかもしれませんが、昔、大学の恩師(←大変お世話になったことは間違いないのです)が、「オレは、自分の子供には、絶対に日本の大学には入れない。海外の大学に入れる」みたいなことを言って、かなりカチンと来たことがありました。あんた、それ、自分の学生にも言えるのかよ、「こんなとこに来ないで、外国の大学に行った方がマシですよ」といえるのかよ、と。一般市民なら別に構いませんが、仮にも自分がその構成員となっている組織を貶すのは、なんかいい気がしなかったのです。「オレは、世界中のどの大学にも負けないくらい立派な教育をしているという自負があるし、少なくともそうしようと思っている」ぐらいは言ってほしかったなあ、と。


でも、オレだって、同じようなものかなあ、と、今回思ったのでした。


【追記】
まあでもこの手のことは古典的なテーマなんでしょうかね。フェミとかやってる男性研究者が、「でも妻には専業主婦でいてほしい」みたいな例って、珍しくはなさそうですし。