モノ作る人、作らない人。

ひとまず上海から帰ってきました。


一番やりたかったこと自体はものの30分で終了したのですが、留学生仲間と旧交を温めることができました。


当時の仲間には、「親が工場をやっている、二代目」みたいな人たちが、何人かいました。その彼らは今、上海工場の責任者、みたいな地位にいるわけです。


彼らの話を聞いていると、まことに大変そう。とくに2006年という年は上海で小競り合いが頻発したらしく、「中国人従業員が急にボイコットして、ラインがストップした」とか、あるいは彼らの工場経営者仲間には、「従業員が急に「給料あげろ」と工場内で暴れ出して、それを止めようとしたら逆に警察呼ばれて「あの日本人が俺達を殴った」と言われ、何日か留置所に入った」などという人もいたそうです。


そんな彼らの話を聞いていると、しかしながら、「物作りっていいなあ」と思うのでした。なんというか、彼らは、「俺達が、モノを作り、価値を生み出しているんだ」みたいな自信に溢れているんですね。僕はこのへんの経済っぽいのは素人以下なので詳しいことは分からないのですが、やっぱり世の中というのは、「モノを作る」ことから始まるんじゃないでしょうか。そこから、それを売る人、買う人、運ぶ人、批評する人、作った人が儲けたお金を運用する人、きちんとルールが守られているか監視する人、みたいに分派していく。でも、社会の根底は、「モノを作る」ことから始まる。


これって、当たり前のことなんでしょうか。でも、僕の家系は、警官やら教師やら役人やら、「モノ作らない人たち」の家系でした。田舎に住んでいながら、農家も、遠い親戚にしか見あたりません。だもんで、「モノを作る」ということが、あんまりピンとこなかったんですね。


でも今回、彼らと話して、この歳になって初めて、「物作りの面白さ」みたいなのが分かった気がしました。いやもちろん、「分かった気がする」だけですけどね。