不愉快


欲ばり過ぎるニッポンの教育 (講談社現代新書)

欲ばり過ぎるニッポンの教育 (講談社現代新書)


けっこう好意的に評価されているこの本ですが、僕はどうも、読み進めていくうちに、不愉快な気分になってきました。

なにがって、苅谷氏が、「子供にたっぷり習い事をさせ、インターナショナルスクールに通わせようと血眼になる親たち」を見下す、その視線に、です。

苅谷氏は、「マニュアルに沿って、子供を教育しようとする」親たちを、まあバカにするわけですが、どうも僕には、その素振り自体が、「マニュアル、あるいは解説本を手元に置かないとパソコンソフトを使いこなせない人間を、パソコンの得意な人間がバカにする」のと同じくらいにバカバカしいものに思えます。陳腐な見方ではありますが、「T大のセンセイは、やっぱり庶民のことは、全然わかってないんだよなあ」と。


いや、苅谷氏は、大ファンなんですよ。著書もけっこう読んでいますし。でもこの本には、ちょっと失望。