頭のいい人たち

大学の教員というのは、まあ「頭のいい人たち」で占められています。

「頭のいい人たち」というのとはちょっと違うかな、「物事を批判的に見る人たち」といった方がいいかも。特に人文系は。まあ、「体育会系」とは対極にある人たちです。

で、そういう人たちと仕事をしていると、ものすごく疲れるのです。


世の中のお仕事のなかには、「誰が考えても意味がなさそうな、不合理なお仕事」というのが、けっこうな確率であるものです。

「誰もがムダと分かっていながら、でも誰かがやらざるを得ない仕事」というお仕事。

一般企業だと、そういうのはぺーぺーの若手がやるのが普通でしょう。ところが大学教員の場合、幸か不幸か上下関係が(基本的には)ないため、上司が部下に「やれ」と命令する、というのは不可能です。

それでも誰かがやらなくてはならないわけですが、そんな場合にも、「頭のいい」先生たちの多くは、「そんなのムダ、意味ない」という正論を吐き、理屈をこねつつ、あっけらかんと無視するわけです。

もちろん、こういう選択は、極めて合理的です。やったって意味ないのは分かり切っている上に、企業なら「泥仕事を進んで引き受けて、上司の覚えをめでたくして、出世につなげる」という計画もアリでしょうが、大学の場合は、上下関係がないんだから、覚えをめでたくしたって何の得にもなりません。「やりません」とキッパリ断った上で、せっせと自分の研究をしていた方が、よっぽど「将来のため」です。


……なので、そういう「意味ナシ仕事」は、根っからの「下っ端体質(体育会系では全然ないですが)」の僕にまわってくると、こういうわけでした。


ほんとこの半年はほとほと疲れた。