年末年始に読んだ本

の中で、一番は、こちら。

学歴社会のローカル・トラック―地方からの大学進学 (SEKAISHISO SEMINAR)

学歴社会のローカル・トラック―地方からの大学進学 (SEKAISHISO SEMINAR)

いやすばらしい。「地方出身者」の端くれである私にとっては、ツボにはまる1冊でした。


今、ある一人の人間を形作る要素として、「親の職業・学歴・収入」なんかが盛んにもてはやされている、ように思うのですが、「どこの出身か」(これも、「親に関する条件」といえないこともないですが)というのも、実は凄まじく大きな要素なのではないかと、昔から思っていました。つまりは、「都会出身か、田舎出身か」では、そもそも途方もなく大きな開きがあるのではないか、と。

極論をいえば、「都会出身/田舎出身」の差の方が、「親の収入」の差よりも、大きいんじゃないか、と思うくらいです(例えば、都会出身者同士であれば、親の年収・階層にかかわらず、それなりに話は合うが、都会−田舎出身者の間では、仮に親の年収・階層が同程度でも、話が合いにくい)。


田舎出身者の場合、もし都会に出たり、あるいは田舎にいても都会と同じ土俵で戦う(例えば、受験を筆頭に、スポーツ選手、あるいは研究者、等)場合には、どうしても「キャッチアップ」という身振りを強要されます。まあハンディといってしまってもいいかも知れませんが。都会にいればそれこそ空気のように感じられることでも、田舎ではそれを意識的につかみ取らねばならない。この差は、めちゃめちゃデカいです。


先日、インターンシップ関係の引率で学生を連れて東京に行った時も、向こうの担当者に、「やっぱり地方の学生を見ていると、まだまだ意識が足りなくて云々」という話をされました。当たり前といえば当たり前な話ではあるのですが。


……話がそれましたが、地方出身者にはオススメの本です。「ああ、おれも高校の時はまさにこんなだったな…」という感傷に浸れます(この本の著者の「目的」とは違う使い方かも知れませんが)。