戦時中の動員

こっちでは、おもに、日中戦争中に香港で発行された新聞を読んでいます。

煽りが結構すごい。「血戦」「死守」などという言葉が踊っています。今から見ると明らかに「大本営発表」である、という記事もあったりします(日本軍を撃退、とか)。

民衆の動員もすごい。「市民探偵網」という、漢奸に目を光らせるスパイ網が作られたりとか、あと「募金」が盛んに称揚されて、誰々はいくら、この団体はいくら、とか、競争心を煽るような記事もあったりして。


日本では、戦時中の動員、あるいはメディア報道というと、ほぼ無条件で否定的な判断を下されます。一方中国は逆。「抗日」という名目であれば、どんな煽りであろうと、無条件で肯定されます。


しかし、(少なくともメディアが)やってることには、実はほとんど差はないのです。


もちろん、「侵略した側と、侵略された側を、同列に見ることはできない」というのは、もっともです。

また、「卑しくも日本人が、「中国だってやってたことは一緒」みたいな研究をすべきではない」みたいな意見があることも、わかってます。


「日本人が、戦時中国のメディア報道を批判的に見る」ことに、いかなる意味があるのか……。


このあたりをつらつら考えつつ、もそもそとマイクロフィルムを見ているのでした。