「この夏は8・15靖国参拝を強行した小泉首相のイメージ戦略が…」
http://www.tokyo-np.co.jp/00/hissen/20060825/col_____hissen__000.shtml

この夏は8・15靖国参拝を強行した小泉首相のイメージ戦略が奏功してか、若者の自民党支持と、反中・反韓ナショナリズム志向にスポットが当たった▼一方で、終戦後も中国に残され、交戦を強いられた旧日本兵を描く池谷薫監督のドキュメンタリー映画『蟻(あり)の兵隊』が大きな反響を呼んだ。インターネットで若者の応援ブログができ、上映支援の輪が広がって、戦争をめぐる論議は二極化しつつも、深まった手応えがある▼連日、昼夜五回の上演が満席となり、追加上映と全国巡演も決まっている東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムをのぞいてきた。平日の午後なのに男女の大学生や中年女性で埋まっていた▼新潟県出身の奥村和一さん(81)は、上官の命令で中国山西省軍閥・閻錫山(えんしゃくざん)率いる国民政府軍に編入され、人民解放軍と三年半も戦って昭和二十九年まで抑留された。映画はその奥村さんの贖罪(しょくざい)と、事実究明のための中国旅行を克明にフォローする▼歴史家の故藤原彰氏らの研究で、当時の北支派遣軍第一軍司令官の澄田中将らが、戦犯を免れるために、部下の将兵を闇の傭兵(ようへい)として引き渡す取引をし、自分たちは逃げ帰ったとされる。日本政府は彼ら高級幹部の国会証言をうのみにして、残留は兵士らの自由意思だったと認定、恩給を支給せず、遺族への補償も行っていない▼奥村さんら元兵士の訴えは、最高裁まで争って退けられた。画面から伝わる兵士たちの“おじいちゃんの怒り”に共感、上映ボランティア活動に奔走する若者たちの歴史意識はまっとうだ。


僕は、「個々人の愛国心に成績付けする“愛国心教育”には反対だ」という(反“愛国心教育”≒左派の)意見は、しごく“まっとうだ”と思います。


だからこそ、この記事のような主張には、ちょっと怒りを覚えます。


「画面から伝わる兵士たちの“おじいちゃんの怒り”に共感、上映ボランティア活動に奔走する若者たちの歴史意識はまっとうだ」って、それって「愛国心教育に成績付けする」のと、何も変わらんじゃないですか。こっちは「歴史認識の成績付け」です。


相手につけ込まれるようなことしちゃ/書いちゃ、だめです。