またまた選挙関連。

 ブッシュがイラクでやったことは、右も左も、正当化する人はもうほとんどいないでしょうが(「日本はアメリカに付いていくべき!」と主張し自衛隊の撤退に反対する人も、「……アメリカの決定がどんなにアホで理不尽なものでも」という条件節を付けていそうです)、もし「民主化」を世界に広げるのだとしたら、ああいう「強制執行」しか道はないのかも、という気がしています。

 そもそも「イラク民主化を広げる」ということ自体に反対する人も多そうですが、その場合、「その地域のことはその地域の人の決定に任せるべき」という論理なのでしょう。つまり、イラク民主化なんて余計なお世話だ、と。でも考えてみると、イラクに代表される「一党独裁」(あるいは「少数独裁」)を、今の居住民が自分で選び取ったことって、あるのでしょうか。つまり、ほんとうに「民意」が大事、というならそれはやはり選挙(に代表される民主的な手段)という手続きを経るべきで、そういう手段も経ていない政治体制を「これはその土地の人々の民意だ、勝手だ」といえるのかどうか。

 で、ああいうお土地柄に選挙を導入するには、「民衆のことを思う、良い指導者」が出るのを気長に待つか、それともアメリカのような「強制執行」しか道はないんじゃないか、と思うわけです。そして強制的な選挙の結果、住民が結局は「独裁」を選び取ったら、それはもう仕方ないでしょう。しかしそういう手続きも取ろうとしない/取らせようともしないで、「イラクのことは、イラク人に任せよ」というのは、ちょっと無責任なんじゃないか、と。

 あるいは、中国のところでも書いたように、「一党独裁だって、立派な政治体制だ」という意見を持っているのなら、それはそれでアリですが。

 どうも、人権とか民主とかにより執着していそうな左派メディアにかぎって、「他国のことには、口や手を出すな」という論調が多いような気がします。しかし本当に人権や民主が大事なら、それは「国境を越えて」世界に広げるべきで、だとするといつ完成するか分からない「自助努力」に期待するよりは、「強制執行」というのは十分ありえる選択肢だと思うのですが。

 今日は忘年会。