わかりやすく。

 今、市民講座をやっているのですが(全五回。昨日第2回目が終わったところ)、いやー、勉強になります。

 僕はそもそも、自分で書く論文などは、「分かる人にだけ、分かればいい」という気持ちで書いておりました。あまり一般性のあるものではないし。ところが、市民講座では、「分かる人にだけ……」なんてことは許されません(と、僕は思います)。普段の授業なら、学生相手に「こんなことも知らない、分からないなんて、お前らバカだなあ」という態度(さすがに口で直接は言えませんが)も取れますが、市民講座では、「受講者が分からないのは、講師の教え方が悪いせい」と、ハッキリ言えます。受講者は、分からないから聞きに来ているわけで、それを「お前ら、バカだなあ」などとは言えないし、そういう方がバカだと思います。

 僕自身は今でも、「論文を、素人でも誰にでも分かるように書く」というのにはやや留保を付けますが、でも市民講座は別。ダブル・スタンダードでいいじゃん、と思います。で、自分の研究を、分かりやすくみなさんに提供できれば最高。


 ところで、さっきその市民講座の資料作りのためにネットで魯迅について検索したら、「魯迅とインターネット」なる項目が引っかかって、なんか笑ってしまいました。う〜ん、斬新だ。もちろんここは、魯迅がいかにインターネットを駆使したかではなく、インターネットを使った魯迅に関する情報集めの仕方、についてのサイトでしたが(当たり前ですが)、でも、この書き方っていいですね。「魯迅ニーチェ」、「魯迅と日本人」等と同じノリで「魯迅とインターネット」。これまたそのセンスに脱帽。