上から目線

基本的に、上から目線が好きなんですね。メタでもいいや。神様の視点に立って、「へえ、これ、こういう風になっているのか」と他人事のように眺める態度。

もちろん、こういうのは昨今、あまり褒められた態度ではない、とされることが多いし、また自分でもそう思わなくはないですが、でも本も、やっぱりこういう芸風のを好んで読んじゃう傾向にはあります。


資本主義の起源と「西洋の勃興」

資本主義の起源と「西洋の勃興」


そういう私には、この本、まさにドンピシャでした。今までもウォーラスティンとか読もうとしたけど、難しかった。理念はなんとなくわかるんだけど、本の記述が理解できない、という。けどこれは、ものすごくわかりやすい。訳者の腕もあるんでしょうかね。言っていることは、もしかしたらそんなに目新しいことではないのかもしれませんが、「わかりやすさ」ではピカイチだと思います。

最近、途中で投げ出す本ばかりでしたが、これは久々に「巻を措く能わず」の本でした。もちろん、細部、とくに中国を論じた部分なんかは、専門家からすると突っ込めるところもありそうですが、まあでも、「上から目線」好きにはたまらない一冊でした。