セカイ系の中年たち

昨日はこの本を。


これからの文学研究と思想の地平

これからの文学研究と思想の地平


ううむ、なんというか…


この論文集、執筆者の年齢がちょっと高め(といっても50〜60年代初生まれ、ぐらいですが)だからなのか、それとも「教育」系の方々だから余計に、なのか、この中に満ち溢れる「文学研究によって世界を変えねばならない」的使命感は、すごいというかなんというか。

「単なる」文学研究ではダメ、みたいな。


で、ふと思ったのですが、これは、「人文系の研究はどう役に立つか」という議論の土俵に、結果的にか意図してか、真っ向から乗っているよなあ、と。


周りから投げつけられる「文学研究なんて、なんの役に立つの?」という「批判」に、「いや、文学研究は、世界を変えられるんだ」と対抗する、みたいな。


まあ変えられると思うのは別にいいとして、それが「世界を変えられないような文学研究は、意味がない」と転換するとなると、それはちょっと、ゾッとしないです。


などなど、なんかちょっと怖くなりました。