表現の自由

書かなきゃならないものはあるんだけど、やっぱ例の事件が気になって、ついついネットでいろいろ見ちゃいます。

オレも、チャイナウォッチャーなどとはとてもいえませんが、まあいちおう中国研究者の端くれとして、興味や好奇心はありますので。


さて、たまたま中国国際放送(ラジオ)のHPを見たら、デカデカと、なんのてらいもなく、今回の事件を「中国側から」論じた記事が載っておりました。「釣魚島は争う余地無く中国の領土です」という「公式見解」や、「良知のある中国人はみんな団結して、日本が釣魚島を占有することを阻止すべき、政府がすべての手段を使って日本の野望を阻止し、一日も早く釣魚島をとりもどすことを期待する。」などという「中国のネットユーザーからの声」などと一緒に。

ついでにと思って中国駐日大使館のHPも見たら、やっぱり同じように「今回の事件に対する中国の断固とした姿勢」と「釣魚島は中国領」という「公式見解」が。


さらについでと思って日本駐中大使館のHPを見たら、案の定、今回の事件のことなど何も出ていないし、尖閣のせの字も出ていませんでした。


日本という国が、「表現の自由」的問題において超先進国であるとは全く思いませんし問題が何もないとも思いませんが、今回に関しては、ちょっと胸の支えがおりました。それぐらいの度量はないとね。まあ威張るほどのことでもないか。


しかし今回の事件、これはこれで、前回の抗日デモに勝るとも劣らない、日中関係において相当エポックメーキングな出来事じゃないですかね。少なくとも「日本の(ネトウヨなどではない)一般市民的中国政府への友好度」は、もはや回復不可能でしょう。