わがままな悩み

教え始めたばかりの時、学生にレポート書かせたら、「オレ、こんなこと一言も言ってねーよ!!」と怒りを覚えるようないい加減なレポートが相継いだものでした。

しかし最近、そういうのがめっきり少なくなってきました。

ひとまずは、「オレの教え方が上手になってきた」ということで、言祝ぐべきでしょう。

しかしそうなると……

なんか、面白くないんですよ、読んでても。みーんな、オレが言った通りに書いてくる。


いや、学生さんは、責められるべきじゃないんですよ。いやもちろん、教員の言ったことを理路整然と覆すようなレポートを書ければ満点以上でしょうが、さすがにそれを求めるのは酷でしょう。オレだって、経済学や社会学のレポートでは、「教員の言った通りに書く」のがせいぜいです。

しかし不思議なもので、今度は読んでいても実につまらん。全部オレのコピー、クローン。まるでオレがコピーを量産しているような、ちょっといやな気分になってきます。

本来は、「中国文学についての知識をしっかり身につける」というのは2の次ぐらいで、「講義で提示したあれやこれやを元に、いろんな問題についていろんな風に考えられるようになる」というのを目標に置いているんですよ。でも今のだと、結局学生は「中国文学について、オレが考えた通りの知識を身につける」ことしかできないんじゃないか。こりゃあんまりよくない事態です。


そろそろ、期末のレポートについて指示する時期。
今回は、どうしようかな……ドキドキをとる(「好きなことを好きなように書いてこい!」)か、無難なのをとるか。