バカの壁

あの人、ここ、見てないよな、見てないよね…


さてさて、先日、ある人から電話が来ました。要は「こっちに遊びに来るから案内しろ」ということで、それはまあいいのですが、その言い方に、「どーせそっちなんて、なんにも見るものなんてないんでしょ?」というのが、通奏低音として流れているんですね。

こっちが「○○なんてどうでしょう?」といっても「どーせそこなんて」で終わり。だったら来なくてもいいんじゃないですか?と何度も言いかけましたよ、言えないけど。


実際に案内しているときも、反応が目に見えるようです。「なにこれ、全然つまんない」「なにここ、全然珍しくない」等々。あー憂鬱じゃ…


これで想起されるのが「バカの壁」です。男とか、あるいはいわゆる学歴の高い人ほど、新しい情報を既知の情報と結びつけたがる。「これって要はこれでしょ?」的反応。

いや、これも、必要ですよ。特にお勉強の世界では。「これって、実はこれと繋がっていたんだ!」という発見の喜びは、まあ学問の基本でしょう。

でもこれを実生活にまで引きずると、「どーせこれなんて」とか「どーせこの人なんて」とか、まあ端的につまんない人間となってしまうわけです。オレの周りには、商売柄、とくにこういう人達が溢れているわけですが(なにせ、「モノを知っている」(あるいは「知らないことがない」)ことに全精力やプライドをつぎ込んでいる人達なので)。


こういうふうに感動のない人生を送るなんて、それこそつまんないだろうなあ、とは思いますが、まあ仕方ありません。比較広告を打つわけではないですが、オレなんて、いまだに、ふだんの通学路ですら「へえここにこんなのがあるんだ」と、ドキドキワクワクの連続で、楽しい毎日を過ごしておりますよ。一昨日も犬に突然激しく吠えられて、飛び上がるほど驚いたし。