能力の限界

しかし研究者(“なんちゃって”ではありますが)なんかをやってて、30代も後半になると、もうそろそろ自分の能力がどの程度なのか、分かってきちゃうものです。

学生時代は周りも自分も見えないので、盲目的に突っ走ることができる。まあとくにドクターに上がっちゃったりしたら、突っ走らざるを得ない、というのもありますが。

しかし就職して一息ついて、さて、と周りや自分を見つめ直すと、こりゃかなわんわ、というのが周りにうようよいる。いっぽう自分はと言うと、全然ダメ。いや、雑務や授業が忙しくて、とか言い訳できればいいんですが(雑務や授業がなければ、オレだって、みたいに開き直れますしね)、もう完全にかなわない。モノが違う。どうしたって追いつけない、どころか、ただでさえ天文学的な差は開くいっぽうです。


……となったとき、ここなんでしょうねポイントは。どーせオレなんて、とやさぐれてしまうか、まあでもオレはオレにできることをやるしかないな、とコツコツ派に戻れるか。

幸いなのは、文学という分野の場合、あんまり「最先端」とか考えなくてもすむことです。他の分野だと、一回差がついたらもうお仕舞いですが、文学は、けっこう「敗者復活」が効きます。「地方でコツコツ」というのも、そんなに意味のないことではないし。


ああ、文学を選んでよかった。