男と女

しかしいろいろ人と話していると、男と女の言語能力というか会話能力の差は歴然ですね。

とくに二十歳前後の男というのは、とにかく会話ができない。

もちろん、おしゃべりな男もいますよ。でもそれは、たんに自分が言いたいことを言いっぱなすだけ。言葉のキャッチボールにはならないんですね。

これは大人になってからも基本一緒です。というか下手すると、大人になると余計酷くなる。本当に「自分の意見を言うこと」しか考えない。


いっぽう女は、もちろん個人差もあるし全員とは言わないまでも、「キャッチボールできる率」は格段に上がります。例えばよく分からない物事について、「あれってこうじゃない?」「でもこうかもしれないよ」「ああなるほど、そうだね」「いやでもこうも考えられるかな」みたいな「おしゃべり」を続けることができる。これがおっさんだと、より力のある人間が「これはこうなんだ。」と断言して終わり。あとは取り巻きが「ああそうですねえ」と同意するぐらいのもんで。自分の意見を絶対視し、それを露ほども疑いません。だから会議も言いっぱなし、もしくは言い合いで終わる。


いやまあ、一般的には、自分の意見をしっかり持つというのは、いいことですよ。

しかしそのいっぽうで、ほとんどの人間にとって、その意見の根拠となる見識とか経験とかは、ほんのちっちゃなちっちゃなものでしかない、ということもまた、厳然たる事実なのですよ。

自分の意見は持ちつつも、それが絶対ではないことを知り、他人の意見に耳を傾ける、というのは、そんなに難しいことではないと思うんですけどねえ。


……じゃあお前ができるのか、といわれると、まことに心許ないですが……