現実と虚構
週末は立て続けにこれらの本を。
ドット・コム・ラヴァーズ―ネットで出会うアメリカの女と男 (中公新書)
- 作者: 吉原真里
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/06
- メディア: 新書
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- 作者: 廖亦武(リャオ・イウ),劉燕子(リュウイエンズ)
- 出版社/メーカー: 集広舎
- 発売日: 2008/05/10
- メディア: 単行本
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- 作者: ロバートゲスト,Robert Guest,伊藤真
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/05/01
- メディア: 単行本
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一見何の脈絡もないチョイスのように見えますが(そして手に取った時は僕も全く何の意図もなかったのですが)、それぞれアメリカ・中国・アフリカの「生の姿」を書いたもの、といえるんじゃないでしょうか。
僕は元々文学という虚構を扱う商売をしていますが、最近、その虚構が面白くなくてですねえ。「生の現実に触れられるなら、別に虚構を読む必要ないじゃん」と考えるようになってきています。文学でいくら「10代の少女の赤裸々な性を描く」とかいっても、『中国低層訪談録』に書かれている「現実」の圧倒的なリアリティに触れてしまうと、なんともつまらんものに思えてくる。所詮作り話だろ、的に。
そうなると『中国低層訪談録』は本当に「現実」なのか、「現実」と「虚構」との境界ってなんだ、みたいな議論になるのは目に見えていて、そしてその議論に意味がない、とも思いませんが、まあしかし、なんですね、法律とか経済やっている人に文学ファンがけっこういるのと同じでしょうか。僕は「仕事以外」で文学を読むことはほとんどありません。
「リアル」「リアリティ」についてはケータイ小説を題材に扱ったこの本。
- 作者: 石原千秋
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/06
- メディア: 新書
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まあしかし、文学でヘタにリアリティを追求すると「じゃあノンフィクションを読んだ方が……」となってしまうし、なかなか難しいところです。
ちなみに『ドット・コム・ラヴァーズ』、「合コンなんて都市伝説だ」と思っているクチの僕としては、ドキドキしながら読みました。こういう本、もっといろいろ出ないかな。出てるのかな。