スポーツ文化比較

「私の嫌いな言葉」、もうひとつありました。スポーツ選手がインタビューの最後にいう馬鹿の一つ覚え「一生懸命がんばりますので、ファンのみなさん、応援よろしくお願いします」です。

これ、昔から違和感があるんですよね。「一生懸命頑張る」のを評価しろ、応援しろ、って、プロとしてどうなんだろ、と。

相変わらず比較対象はアメスポですが、アメスポで「猛練習」みたいなのがほとんど何の評価もされないというのは有名です(されるとしたらウェイトトレーニングだけじゃないでしょうか)。そもそも猛練習などしないですし。ファンは素材そのまま、天然そのままのプレーを見て、楽しむ。

だからドラフトでも、体格のデカい選手が無条件で好評価される傾向にある。そのときよく言われるのが「技術はある程度教え込むことができるが、体格は教え込むことができない」。これ、ヤオ・ミンがHouston Rocketsにドラフトされたときも、GMだったかが言ってたものです。ドラフト前、ヤオは、さんざんデクのぼ(ry だなんだとバカにされていましたもんね。それが今では、ほかにロクなのがいないから、という消去法ではあれ、NBAの、すくなくともwestでは、No.1センターといっても、まあそんなに異論はない(ある人もいるでしょうが)、というほどになりました。


あと、これまた驚かされるのが、コーチ(監督)と選手との、ドライな関係。

いまNBAfinalsの真っ最中ですが(残念ながら勝負はもうほぼ付きましたが)、アメスポでは、試合後、監督はもちろん、主要選手が、記者会見を開きます。「お立ち台」レベルではなく、記者たちが様々な質問をぶつける。勝った後ならいいでしょうが、負けた後のインタビューは、結構悲惨です。「なぜ負けたのか」「何が悪かったのか」「あのときのあのプレーはおかしかったんじゃないか」と、あの手この手で選手をイジメにかかる。それに、選手はよくブチ切れずに対応するなあ、と、感心して見ています(たまにブチ切れる人もいますが)。

それはさておき、NBAfinalsの記者会見で、選手たちに、「監督をどう評価しますか」という質問が、ほぼ必ず聞かれるんですね。

もちろん、答えはほぼ必ず「コーチはすばらしい人だ。我々に情熱を与えてくれる」とかそういうお約束な言葉なんですが、それでも、そういう質問があるところが、すごい。

日本ではあり得ませんよね。監督を選手が「評価する」などという発想があり得ない。いやそりゃもちろん個々ではあるでしょうよ。オレあの監督嫌い、とか。でもそれが公のものとして選手の口から発せられる、これってさすがだなあといつも思っています。


誤解のないように書いておきますが、アメスポでも「選手の監督批判」は、基本的に御法度です。人事権は監督にある。だから、批判した選手は出さない。

でもそれは、あくまでも人事権なんですよね。そこにはどっちが偉いとか、そういう発想は(たぶん)ない。そういう意味で、ドライです。


……と書いてくると、ああ、オレって、ことスポーツに関しては、やっぱアメリカかぶれなのかなあ、と思いますね。日本はダメだ、その点アメリカは、っていう論法、本当は一番嫌いなはずなのですが……


あとちなみに、今年のMLBを見ていると、やけに内輪もめ(自軍の選手同士でケンカしている)が目立つのは、気のせいでしょうか…