都会の田舎

昨日は兵庫県川西市にある某高校に模擬授業に行ってきました。片道4時間。ほんで授業は50分。しかも受講者は10人(前もって連絡あり)。費用対効果を考えたら泣きたくなるようなお仕事ですが、こういう「誰も引き受けたがらないお仕事」をするのが僕の真骨頂です(うそ)。


まあしかし、もちろんあまり気は進みません。朝7時の特急に乗って、新幹線に乗って、在来線に乗り換えて、阪急に乗り換えて、さらに能勢電鉄に乗り換えた頃には、こんな仕事を引き受けたことを心底後悔したものでした。高校はかなりの田舎にあります。周りを山に囲まれている。高校に着いて、なんとなくたるそーに昼休みを過ごす生徒さんたちを見ていると、後悔の念はいやが上にも高まってきます。


さて教室に入って、授業を始めると、いやいやびっくり。何とも素晴らしく真面目な生徒さんたちです。

たまたま先週も1件県内の高校で模擬授業でしたが、そこはいい感じで荒れてました。っちゅうかおいおいそこの男子学生よ、いい歳してハンカチの投げ合いなんてやめろって。という感じ。

しかし今回の生徒諸君は、こっちの話をまじめに聞き、反応し、笑ってくれ、終わったあとには「ありがとうございました。楽しかったです」などといってくれちゃうじゃないですか。いや〜もう感激ですよ。疲れも一気に吹っ飛びました。


考えるに、彼ら、田舎とはいえ、兵庫県。なんというか、大人、なんですね。僕がふだん出向いている県内の高校は、おいおいこれで高校生かよ、とびっくりするほど子どもなのに対し、今回の高校は、「大学から教員がわざわざうちの高校に出向いてきたんだから、まあ聴くふりぐらいはしようかな」という程度には、成長しているんですね、多分。


もちろん、「だから兵庫の方が高知より断然いい」とはいえません。今回の高校、もし、あえて悪くいうなら、「飼い慣らされている」という印象もありました。いっぽう、高知の高校は、良くも悪くも「野生児・自然児」です。


まあただ、個人的な好みでいえば、この高校ぐらいに飼い慣らされる(あるいは飼い慣らされているように演技する)のは、悪い事じゃないんじゃないかな、とは思います。だってべつに悪いことないもん。


あとはやっぱ、女子生徒たちのほどよい関西弁が心地よかったのかな。おれ、根っからの北日本人間なので、関西弁喋る女性に弱いんですよ。高知もそっち系の言葉ではあるけど、ちょっとノイズが気になるかな。それはそれでいいけど。