日本の文化

引用していただきました。
http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20061130/1164899318

まさに、「日本のサイトなどを見なくても、基本的な藝能情報は地元の新聞を眺めているだけでわかるし、代官山とか青山界隈のお洒落な店の情報も地元の雑誌だけで基本的にはチェックできる。TVドラマは数か月遅れで(著作権上は問題大いにありだけれど)見ることはできる。」と思います。有名な話ですが、日本のビジネスマンが中国に出張する際、中国人(の、とくに家族)へのお土産の定番は「日本の女性ファッション誌」です。日本の(ファッションやら芸能やらの)文化は、アジアの中では、ものすごく注目されている。あとアニメもか。


こんなのは、放っておいてもいい。というか今まで放っておいてもこうなったわけで、へんに国が手を突っ込む必要はない。


問題はそれ以外の文化、つまり「日本の伝統的な文化」みたいなもの。これを海外に広げるべきかどうか、というのはけっこう難しい問題です。元ネタの内田先生は、中国が今さらながら孔子を持ち出して海外への文化普及を謀るのを好意的に見ておりますが、これはまごうことなき「創られた伝統」です。それ以外の何物でもない。まあ孔子はたんなる象徴だとしても、じゃあ莫大なお金をかけて海外に拠点を造ってまで広報する「日本の文化」ってなに?となるわけです。やっぱアニメやファッションでいいんじゃない?で、それって、自然に伝わっていく、でいいんじゃない?と。


ただ、例えば川島真氏がここの「2月16日」で書かれているように、「外務省、国際交流基金が北京日本学研究センターへの支援を実質停止する方向に動」いたりしている、という事実もあるわけです。「砂に水を撒くような」地道な作業を通じて、「親日派」でも「反日派」でもない「知日派」を養成していくべきなのに、そういうのはすべてカットして、イベントだなんだという安易な宣伝に向かっていっている、と。


まさにそう思います。向こうでのイベントで相撲だ伝統芸能だ、と派手にブチ上げるだけではなく(それが完全に無意味というわけではないにしろ)、こういう地道な努力ももっと必要なんじゃない、と。


ただ、最近とみに内向きになってきている日本。今のままだと、ちょっと難しそうです。