前提条件

授業、特に講義をしていて一番難しいのは、「聞き手は、ここまでは知っている」という前提条件を設定することです。


例えば「中国現代文学」について講義するとする。学生は、「中国」も、「文学」も、ほとんどなにも知らない、というケースは、実は少なくありません。その場合、「中国という国があってね……」とか「文学というモノがあってね……」(←さすがにこんな人はいないでしょうが)とかから始めてたら、それこそ1年たっても「スタート」にも到達できない。まあこっちとしては、文学は好きで結構読んでいます、でも中国のはあまり読んだことがありません、魯迅は「故郷」と「阿Q正伝」は読みました、あまりよく分からなかったけど、ぐらいの前提は持っていてほしいのですが。


学生のレベルなど考えずに好きなようにしゃべる、というやり方もアリではあるのでしょうが、やっぱりそれはしたくないし。うむむ。