情報過多

例えば僕は、愛国心的なものが嫌いなので、『国家の品格』なんて本はタダでも要りません。いくらヒマでも読む気しません。


とはいえ、そうすると、今度は批判することができないのですね。「読んでいない本」を批判するのは、掟破りですから。なので、無視するか、あるいは批判のためだけに本を買うか、道は2つに1つです。無視するとなんだか著者の主張を認めたみたいになってしまう。でも、かといってその本を買ったら、結局売り上げに貢献して、これまた間接的に著者に貢献することになってしまう。あああ、このジレンマ。


専門の評論家のような人なら「批判のためだけに本を買う」のも有りなんでしょうが、普通は、せっかく稼いだお金でわざわざ「読んで気分が悪くなる本」を買う人はいないでしょう。「図書館で借りる」とかも似たようなものです。せっかくの休みに、腹の立つ思いをわざわざする人はそんなにいません。


まあネットウヨなんて人はネタ探しのために朝日のサイトを見ているんでしょうし、またサヨ系の人も、批判のために相手方の本を買っている、ような人も見受けられます。そういう人たちは、ご苦労様としかいいようがありません。


ネットが発達し、情報に溢れるようになっても、結局は好きな情報だけしか見ない。そういうことへの批判はいくらでもありますが、でも、それを是正するのは、容易なことではなさそうです。