個人情報の誕生

今さらながら、スマホを導入しまして。
で、いろいろ設定していて思うのですが、これって、個人情報のカタマリというよりも、個人情報を発信する機械という方が正しいですね。

 

とにかく、個人情報を入れさせられます。というより、すべてがgoogleさまによって紐づけられていく(androidなので)。生年月日はもちろん、カード情報もなにも、すべて。

 

そもそも、私がネットで何を見たかとか、何を買ったかとか、何を投稿したかとか、全部お見通し。プライバシーも何もありません。

 

ここでふと思うのが、個人情報に関する意識の高まり、これってネット、さらにいえばスマホの普及によって広まったんじゃないか、という仮説が。

それ以前って、個人情報っつったって、生年月日と、あとはせいぜい給料・借金の額ぐらいだったんじゃないでしょうか。個人情報ってそんなもん。どのスーパーで何を買ったかとか、本人を含めて誰も気にしてなかった。

それが、ネット、そしてスマホの登場によって、「これって、他の人に見られたらマズイよな」という意識が生まれ、個人上意識が肥大してきた、と。なんか、完全なマッチポンプですね。

 

そしてさらに思うのが、学生の、個人情報に対する関心の低さ。

昨年度の授業で、「中国的監視社会」について説明したあと、「こういう社会は是か非か」というお題でコメント書いてもらったら、ざっと75%が「監視社会がいい/監視社会でもいい」でした。はっきりイヤだと書いたのは、たぶん1割ぐらい。残りは「それで犯罪がなくなるなら、いい」という意見が多かったのです。

ややビックリして(せいぜい半々ぐらいかと思ってたので)、ツイッターなんかで報告すると、「うちもそんなものですよ」という同業者のコメントをいくつかいただきました。

 

これが、もしかしたら「生まれたときからスマホ」世代の感覚なのかなあと。最初から、個人情報が守られてるなんて、思ってない。どうせ丸見えなんだと諦めてる。というより、個人情報ってそもそもそういうもんだと思ってる。なので、それを隠そうとか守ろうという感覚が、あまりない。

こう考えると、感覚がだんだん中国に近づいていっているのかもしれませんね。中国人留学生に「全部スマホで決済したら、どこで何買ったか、全部バレちゃうじゃない」といっても「それがなにか?」という反応しか帰ってきません。それの何がいけないのか、さっぱりわからない、といった様子。

 

そういえば、昨年度のゼミ生(日本人)が「中国のスマホ決済」を取り上げたのですが、そのゼミ生自身がスマホ決済にはやや否定的なスタンスで、その理由は「人と人とのつながりが薄れる」なんですね。それが一番強い。「個人情報」云々は三の次ぐらい。それが一番新鮮でした。

 

相変わらずとりとめもないお話ですが、スマホの設定していて、なんかもう、個人情報なんてどうでもよくなってきました。私がウェブで何を見て何を買ったか、完全筒抜け。という新時代を生きていきます。